時代の黎明を
北溟「ほくめい」の島から告げたい

いま、世界は大きな転換点を迎え、さまざまな矛盾や問題があちこちで噴き出しています。これまでの価値観、ものの見方での対応は難しく、これらの克服のために新たな発想が求められています。

そこで私たちは、北溟（ほくめい：北の海）に浮かぶ佐渡に注目し、新しい視座を提供できる文化、もっといえば文明の萌芽を探し出すことができないか、考えました。時代に大きな影響を与えるような文化、もっといえば文明は、辺境＝ボーダーから生まれることを私たちは経験から知っています。でも何故、佐渡なのか。

佐渡は、北前船を通して全国の文化が集積し、さらに歴史を遡ると、中央での権力闘争に敗れた少なからぬ貴族や武士が流され、また、終焉を迎えた土地柄です。遠い過去、先端の文化を担った優れたDNAがここにはあります。現在に至るまで島内の各村で連綿と続く能や人形浄瑠璃、また鬼太鼓などにその一端は、窺えます。

溟北舎（めいほくしゃ）は、出版やインターネットなどによる情報発信を通じて、日本文化のマグマが垣間見える佐渡から、次の時代の黎明となるべき新しい光＝価値を見出していきたいと考えています。